書評:Mad Science 炎と煙と轟音の科学実験54

2010年9月16日(木) 22時9分 by level
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Tags: 書籍

Mad Science-炎と煙と轟音の科学実験54(Theodore Gray、オライリー・ジャパン)はその名の通り、かなり危ない(無謀、凶暴な)実験を美しい写真と軽妙な解説で紹介した本です。難しい話は一切なく、さっと読めます。ディスカバリーチャンネルでアメリカ人のオヤジがガレージで怪しげな工作をやっている番組などが好きに人にはおすすめです。

取り上げられている実験は、いずれも、ヤル気と金があれば再現できるだけの(必要最低限の)情報が盛り込まれています。が、多くは、良い子は手を出さない方が賢明でしょう。

著者のサイトである Mad Science by Theo Gray ですべての実験の簡単な説明と写真、追加情報、一部の実験のビデオを見ることができます(英語)。まさにこういう本こそ電子出版にうってつけと思うのですが出版の予定はないのでしょうか。

以下、個人的に気になった実験の紹介です。ただ、ネタバレを含むので、特に著者サイトのビデオは本を読んだ後に見たほうが良いかもしれません。

CHAPTER 1:「危険すぎる製塩法」。これは、ナトリウムと塩素という、ちょっと科学的知識があれば誰でもわかる二つの超危険な物資を反応させて、塩化ナトリウム(つまり塩)を作ってポップコーンの味付けに使用するという、危険かつ馬鹿らしい実験です。こちらはビデオが公開されているのでどうぞ:Making Salt the Hard Way。しかし、実験中の著者のオヤジ、上半身は完全防備ですが、下はバミューダパンツにサンダル姿。火の粉が足の甲に落ちたりしたらと、見ている方がヒヤヒヤものです。

CHAPTER 5:「自家製チタン」。チタンは高価なので希少元素かと思いきや、実際は原鉱石の二酸化チタンはごくありふれた物質で、そこから金属チタンとして生成するのに大変なコストがかかるらしいです。そこで、二酸化チタンをテルミット法を用いて還元し、金属チタンを得ようという実験です。テルミットというのは金属アルミニウムと金属酸化物(酸化鉄)を爆発的に反応させて金属を還元する手法で、反応温度は3000度にも達するそうです。その高温を利用してロングレールの溶接にも利用されているとか。こちらも上の実験と同じくらい危険かつ激しいものです。ビデオあり

CHAPTER 2:「いたずらスプーン」。適度な割合でインジウム、ビスマス、錫の(無毒な)合金を作ると、その融点が60度℃になるそうです。これで熱いコーヒーをかき混ぜる、溶けてしまうとか。その溶けた金属の感触というものをぜび味わってみたいものです。

CHAPTER 4:「シャボン玉爆弾」。(純粋な)水素ガスを大気中で燃焼させるのと、水素ガスと酸素ガスの混合物を燃焼(爆発)させる事の違いを実験でしまします。石鹸水の中でガスをぶくぶくさせて、出てきた泡が(水素を含んで軽いので)空気中を上ってきたのに火をつけます。ビデオあり。まさに百聞は一見にしかず。

CHAPTER 5:「アルミはこんなに錆びるもの」。アルミニウムは通常は酸化アルミニウムの丈夫な膜に覆われることにより大変サビに強い金属ですが、これに水銀をちょっとばかり処方してやると、数時間のオーダで、あっという間にボロボロに朽ち果ててしまうそうです。こちらもビデオあり(自分で探してね)。

CHAPTER 6:「凍りついた稲妻」。電子をパンパンに含んだアクリル板に衝撃を当てると、電子が一気に放出され、その通り道の跡がアクリル板に稲妻のように記録されるというもの。これは十分インテリアになります。こちらもビデオあり。

CHAPTER 6:「雪の結晶を永久保存する」。これは個人的にやってみたい実験。なんと雪の結晶を瞬間接着剤でプレパラート上に永久保存するというもの。もっとも、外気温がマイナス5度以下でないとダメみたいなので私のところでやるのは厳しそうです。

最後に、初版本に編集ミス発見。43ページ枠内のタングステンの説明になぜか窒素ガスの説明が混入しています。

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